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人もまばらな食堂で、グラスが割れる音が盛大に響いた。

「マルコ、何でお前が、一緒なんだ?」

昼間と同じセリフを、同じ人物が地を這うような声で言った。
手には割れたグラスの破片が残っている。
そこからポタポタと垂れるのは、仕事終わりの一杯になるはずのものだった。

「俺が誰と一緒に居ようと、俺の勝手だろい」

マルコはそう言うと、さっさと食事を取りに行った。

まさにサッチは一触即発の雰囲気。マルコはそんな彼ををチラリと見て若干呆れすら覚えた。
何故nameと自分が一緒に居ただけでこんなことになるのか、甚だ疑問である。
自分はただの気まぐれで夕食に誘っただけなのに。

「あ、あの、シーツの取り替えに行ったら、隊長さんが夕食まだだっておっしゃっていたので、ご一緒させてもらいました」

さも自分から言い出したことのように言うnameに、何も言えなくなったサッチは歯切れの悪い返事をするしかなかった。

「ただ飯食いに来ただけだろい、そうかっかすんな」

二人分の夕食を手にして戻ってきたマルコは、冷静にそう言うと席に着いて名前を呼んだ。
彼女はサッチに自分は大丈夫であることを告げてマルコの方へやって来た。
残されたサッチはというと「name…!」と呟き目に涙を浮かべる始末。

(俺が無理に付き合わせたのに…おかしなやつだねい)

初めて会った時から自分に怯えているくせして、かばうようなことをする。
今だってビクビクしながらマルコから食事を受け取るnameを、彼は心底不思議だと思った。

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