「う、お…」 エースは目を覚ますとあまりの白さに目を眩ました。 真上にズラリと並んだ真っ白なシーツが光を反射しているせいだ。 彼が甲板で昼寝をし始めた時はこんなものなかったはずなのに。 寝転がったままぼんやりと眺めていた彼だったが、またうとうとまどろみ始めた。 誰かが頭に柔らかな枕を置き、ブランケットをかけてくれたおかげかとても寝心地が良いのだ。 そして間も無く、洗剤の優しい香りに包まれながら再び眠りに落ちた。 人が近くで動く気配を感じて、再び目を開けると先程まであったシーツがなくなっていた。 起き上がって辺りを見回すと、小さな影がまだ取り込まれていないシーツの向こう側にある。 バサリと音を立ててシーツが落ちる。それを掴んだのは、少女だった。 「あ、すみません。起こしてしまいましたか?」 「いや、構わねえよ」 無造作に伸びた焦げ茶の髪が、ふわふわと潮風に揺れていた。 「これお前がやってくれたのか?」 「そうです」 エースが礼を言うと、彼女は嬉しそうにはにかんでまた髪をふわりと揺らす。 その様子に彼もつられて笑顔になっていた。 「俺はエース、おまえ名前は?見ねえ顔だな」 「nameです。この前の冬島で乗ったばかりで…」 これがエースとnameの出会いである。 ← | → main |