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ふいにマルコとnameは目があった。
(目があった、と言っても名前の目は帽子で隠れているが…)
その瞬間、nameはびくりと肩を震わせおろおろし始める。
エースは今、また芋を取り出そうと焚き火の中だ。

マルコはnameに手招きをした。


(ひいっ)


セリフをつけるならまさにそれがピッタリな怯え様だった。


(なんでそんなにビビる…)


そして若干傷つくオッサン。

それでもしばらく待てばそろそろとやって来た。
両手にはしっかりと芋が握られたままだ。

ある程度の距離まで近づいたnameは、座ったままのマルコが見上げてくるので落ち着かない様子だ。

「俺にもくれよい」

「は、はいっ」

「それ」

「あっ!」

慌てて持っていた芋の片割れを差し出す。
少し冷めたそれは、それでも美味そうな匂いだった。
ガブリと一口かじりつけば、案の定ほどよい甘さが口の中に広がった。

「うまい」

思わず出た一言を聞いて、nameはやっと少し緊張がとけたようだ。
ちょっと緩んだ顔に気づかれないようキュッと口を結び俯いたが、雰囲気でバレバレだった。
柔らかそうな頬に朱がさす様はまるでホクホクと甘い芋のような顔だ。



(…わかりやすいやつだよい)

自分でも気付かないうちに、マルコもつられて優しい微笑みを浮かべていた。

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