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相変わらず焚き火からはもうもうと煙が上がっていた。
そしてその中にはうっすらと人影が見える。
その人影は火だるまになりながらやがて焚き火の中から出てきた。

「この辺は焼けてるぞ、ほらname食え」

飄々とした顔でそこから現れたのは火拳と呼ばれる男、エースである。
体のところどころに火を残しながら、焚き火の中から焼きたての芋を抱えて出てきた。
悪魔の実の能力も使い方次第で便利なものだ。
先程まで火の中にあった炭のような温度である芋のひとつを名前に手渡した。


「わあ…あっつ!あつい!」

「なんだそんなのも持てねえのか。かしてみろよ」


到底nameには持てない芋を半分に割り、その辺の木の葉でくるんでやったものを再び手渡してやった。
黄金色をした芋は湯気をたたせ、甘い独特の匂いを放っている。


「ありあと、えーふ」


熱々の芋を頬張りながら礼を言う名前は実に幸せそうだった。
芋は見た目を裏切らず、とろけるような甘さだ。

そんな様子を少し離れた木陰でぼんやりとマルコは見ていた。


「name、慌てて食うと口んなか火傷するぞ」

「…っ!?はっ!!!はふっふ!!」

「だから言っただろ」


そしておよそ海賊とは思えないその暢気な光景に半分呆れ、半分心地よさを感じているのだった。

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