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サッチの警戒が強まった翌日、白ひげ海賊団は無事秋島に到着した。
島の三分の一が街、残りは山となっとおりそこから自然の作物が豊富にとれる。
当然海賊である彼らは山側に船を着けたわけだが、いかんせん街まで距離があり不便であった。

「サッチのやつ…最初から俺に押し付ける気だったな」

船から人が出払った頃、たまたま船に残っていたマルコは買い出しのやつらに頼み忘れたと言って大量に酒の名前が連なるメモを渡されたのだ。


「いいじゃねーか!ちょっと飛んできゃすぐだろ!じゃ、俺は船番だからよろしく!」


断る隙すら与えずメモを押し付けてきたサッチを思い出して、マルコは眉をしかめた。
言われるがまま能力を使って買い出しに行くのは癪だったので、彼は紅葉の美しい並木道を歩いていた。

「それにしても、見事だよい」

赤や黄に色付いた木々を見上げて思わず感嘆の言葉を漏らした。
不死鳥の姿で飛んでいるときとはまた違った景色だ。

しばらく辺りを見回していると、一筋の煙が上がっているのが見えた。

「山火事か?」

サッチに頼まれた買い出しより、断然この紅葉の森が大切だ。
マルコは足早に煙の方を目指して歩き出した。

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