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陽は地平線に沈み赤から青、そして夜の闇へと徐々に移ろいでゆく頃。
nameは各隊長の部屋を周り、ベッドにシーツを敷いていた。
船員が夕食に行っている間に洗った衣服などを届け、隊長や船長の布団を用意するのも名前の仕事である。

テキパキと仕事をこなし、一番最後の部屋へ来た。

この部屋の主はnameの最も苦手とする隊長だ。
部屋で遭遇しないように順番を最後に回し、更にはドアを開ける前に中に人が居ないか物音を探ってから入るという徹底ぶりだ。
そのおかげか、今まで遭遇したことは一度もない。

(…よし、居ない!)

部屋から物音ひとつないことを確認し扉を開き中へ入った







(ひっ…!)

瞬間、思わず声をあげそうになったのをギリギリで堪えた。
居ないと思っていた部屋の主がベッドに横たわっているではないか。
あの特徴のある形の金髪はまさしく一番隊の不死鳥マルコ。
彼のことが最も苦手で今まで散々逃げ回ってきたのだが、まさかここに来てヘマするとは。
nameは心臓の動きがドクドクと急激に速くなっていくのを感じた。

(どどどどうしようっ!)

「……」

幸いにも部屋の主は寝入っているようで起きる気配はない。これはチャンスだ。
せめて洗濯物だけ置いてさっさと逃げようと思い、一番近くにあった机にそろりと向かった。

(あともうちょっと…)

机に手が届くまで残り数センチ。泥棒さながらの抜き足だ。
じんわりと嫌な汗が額を伝ったのを感じた。

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