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エースはテンガロンハットを抑えながら、トンと軽く飛び降りてきた。
着地点はちょうど名前の目の前だ。

「エース、見張りありがとう」

「いやいいんだ、寝てたしな!」

「そっか」

海賊船の上とは思えない、和やかな空気が辺りを包んだ。
洗濯物がはためく音がさらにそれを和らげる。
しかしそんな彼らの変化を目ざとくも見つけてしまったサッチは口をはさまずにはいられないのだった。

「お前らいつからそんなに仲良しになっちゃったの、お兄さん聞いてねえよ」

「お兄さんって年かよ」

「おうおう、言うようになったじゃねーのエースくん」

「いでででで!」

片手でエースの顎を掴んで力を入れるサッチの顔は至極楽しそうだ。
そんなじゃれあいを傍目に、名前はさっさと仕事を始めている。
いつものことなので、もう慣れたもの。
気にとめることもなく、洗濯挟みを外し洗濯物を籠に放り込んでいく。
今日も汚れひとつなく綺麗に仕上がった。
籠がいっぱいになるとまたそれを抱えて船内へ戻り一旦洗濯部屋に置いてくる。その繰り返し。

全て取り込み終わる頃には、じゃれあいという名の軽い戦闘が終わっていた。

「お、name終わったのか?」

「それじゃあお兄さんも飯の準備しようかな」

「…自分で言ってて恥ずかしくねえの」

「今日はエースくん、腹減ってないのかな?」

「すんませんお兄さん」

またしてもじゃれあいながら後ろをついて来る二人に、ひっそりとnameは頬を緩めるのだった。

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