アタシの朝はいたずらっ子によるメールから始まった。
『ん……、オレ様を祝いやが……えっ』
今日って何日何曜日!?
今日は五月九日。曜日なんかどうでもいい!
『プレゼント買ってない!』
アタシの眠気のとれないとろんとした顔は、パッチリと冴えてしまった。
どうするどうする!?
プレゼントが無いなんてバレたら死刑宣告されるも同じ!
『まじでないわ……、』
ため息を吐くこと数秒。
アタシの携帯が震えた。メールかと思ったら電話。しかも死刑宣告されるかもしれない相手、仙道清春サマからの。
『はい、』
「オマエなァ、起きてンなら返信しろってーノ!」
『ただいま留守にしております。ピーとなりましたらお名前とご用件を三十文字程度でお話しください。ぴー』
「テメェ…このオレッサマに喧嘩うってんのか?」
ヤヴァーイ。清春ってば相当ご立腹のようだ。
『あと九文字です』
「ンなの知るか、バーカ!」
ブチッと通話が切れた。平仮名で表すとぴったり三十。なんだかイヤな予感がする。
『……清春に出会っちゃう前になんかプレゼントでも』
買うわけにはいかない。
まだコンビニくらいしか開店していないから。
もう、アタシの選択肢は作ることしかないんだと悟ることしかできない。
冷蔵庫を漁れば母の日に作っていたパフェの残りがあった。
生クリームとかフルーツとか。
『……んー…なんとかなるか』
と言うか何とかしなきゃいけないよね。
『がんばろう!』
生クリームが泡立ってきた。
それと共にチャイムがなった。時間を見れば7時前。回覧板でも回ってきたのだと思い普通に扉を開ければそこには悪魔がいた。
『げ』
扉を閉じる…。前に、悪魔が足を挟め閉まりきるのを防いだ。
終わった……、アタシの人生。
「分かってンだろーなぁ、名無しちゃんよお」
『ひいいいいい!』
『ごめんなさい』
とりあえず謝りました。
リビング。悪魔を家に入れて早速土下座。なんでアタシみたいな奴が清春の彼女なのかは、まぁ…はしょるけども。
「プレゼントなんてなァ、オレサマにとっては貰おうが貰えまいがドーッでもいいんだよ」
「ターダァ、」
『ひぃっ!』
「留守電偽って誤魔化そうってんのは許せねーなァー」
『ご、ごめん!』
謝って許される?
……わけもなく、清春に抱き締められて一言言われる。
ああ…今日は学校を休まなきゃなんないみたいだ。
「今日はとことん動けなくなるまで遊ぼうぜェ?」
(お、生クリームあんじゃん)(それはプレゼントを…!)(なぁーるほどぉー。オレ様が美味しくなるように塗りたくってヤるぜー!)(きゃっ、アタシに付けないで、この変態!)
2011. 5.09
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