『私が、あんた達の事を信頼していると思った?』
むねがいたいです。ぶつりてきではなくて、せいしんてきないみでいたいのです。ひょうじょうにはあらわしていませんが、こころのなかではないています。
ああ、これからもみんなといっしょにわらいあっていたかったのに。と。
のろいたいです。じぶんのじゅみょうに。しきをしらされたあとのいきかたがこんなかなしいものだっていうことに。
「へ……、名無し?」
驚いた友人の顔がやけに目に焼き付いてしまった。
さぁ、嫌ってください
昨日決断した。皆に嫌われようと決断した。
『私、アンタ達みたいな今を満喫していますって顔している人、大嫌いなんだよね』
大嫌いなわけがない。今を満喫しているなんてスゴく良いことだし。でも、嫌われなきゃ。皆が冷たくなった私を見て何を思うかは分からないけど、私が嫌われたら迷惑なんてかからないんだから。
「名無し、いくらなんでも酷いよ!」
親友のあの子がそう叫ぶように言う。それに続けて友達たちが次々にと酷い酷いと言い出した。
酷いことなんて分かってる。私だってそんなこと言われたら酷いって言うに決まってるから。でもね、これも皆のためなんだから、仕方ないの。
本当にごめん。
『気安く名前呼ばないで?そう言うの嫌なの』
「ふ、ふざけないで!」
頬っぺたがじんじんと痛んだ。
平手で叩かれたんだと数秒遅れで気づいた。
『…………』
「私らもアンタのことなんて嫌いよ!金輪際近寄らないで!」
「最ッ低」
暴言と言われるものだろう。次々と私に言葉の刃を突き刺した彼女たちは次々と私の目の前から去っていった。
『…………』
最後に見たのは皆の怒った目から流れ落ちる水。本当に私のことを嫌ってくれてありがとう。これからは苦しまないで、私のことを忘れて生きてください。
『最低で結構。だから、もっと嫌って?』
そう言葉にしたら自然と頬に何かが伝った。
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