間近での勝利

先制点は木戸川清修。雷門さん曰くどうやら木戸川のFWとは何らかの機会で対峙したことがあるんだとか。そのあと守くんのゴッドハンドで持ち直すも守りを固めていてばかりで中々点を取りにいけない様子。そんなとき鬼道の案に賛成した守くんは変態之瀬と土門共に前線へとあがりはじめた。トライペガサス。前にメールで教えてくれた超次元技だ。

『トライペガサス…』

綺麗な技という印象。三人が交わった地点から羽ばたく一頭のペガサス。そのペガサスがゴールポストの中へと向かっていく様を見るのは少なからず楽しいものだ。そして雷門の一点と共に前半終了。私は皆の行動を真似て適当にドリンクを配った。



後半早々三つ子のトライアングルZで点を奪われてしまった。雷門としてもやられてばかりではいられない。ここぞというチャンスでトライペガサスで点を狙うが木戸川清修の西垣にカットされてしまう。そんなときに動いたのが雷門の有名人豪炎寺修也。彼の素早い反応のお陰で同点まで持ち込むことができた。あとは少ない後半の時間内でもう一点でも追加点を狙うしかない。

「トライアングルZ!」

残すところはロスタイム。そんな試合終了ギリギリに守くんのゴッドハンドで止めきれなかった三つ子の超次元技が向かう。フィールド上の皆も私たちベンチ組も皆の視線が守くんに釘付けとなった。

「ゴッドハンド!」

守くん一人の力だったなら破られたんだと思う。だけどフィールド上には守くんを信頼している人がいる。純粋にサッカーが大好きだから、ただここまで来て負けたくないから。本当のところ理由なんてどうでもいいのかもしれない。だけどやっぱり純粋に楽しむサッカーをやっている守くんはいつもと違って見えてカッコいいと思ってしまう私がいる。

守くんのボールは豪炎寺のもとへとわたる。三つ子は急いで豪炎寺をマークするがどうやらそれは豪炎寺の罠だったらしい。ボールは一之瀬へと渡り、三人は再度トライペガサスを決めた。


『ペガサスが……、』

「雷門中、ついに逆転!」

集中してしまうほど私自身もサッカーが大好きなのかもしれない。

「やったあ!!」

「ペガサスが…フェニックスになって、翔んだ…!」

2013.4/26


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