「とりあえず友達からはじめましょう!」

【告白した】あなた「青峰大輝さん、付き合ってください」 青峰大輝「NO!」 http://shindanmaker.com/272556



『ちょっ、NO!ってなにNO!って。氷室君がNO!って言うなら中の人(イナクロ/アルファ)的な意味でちょっと納得できるんだけど青峰君が言うとなんか……ウケる』

恋がかなうと噂されている西校舎裏の一本杉。青峰君に告白してみたはいいものの見事ふられてしまったのである。
まあ、そんな噂信じていたわけじゃないし青峰君とだって話す機会ができただけでもうれしいっていうか、むしろこんなところにちゃんと来てくれたことに驚きしか感じないのだけど。うん、断り方がそうくるとは思ってなかった、うん。


「つーかおまえ誰?」




…………ええええええ?


『ほら、桃井ちゃんと仲良くさせてもらってる』

「さつきと?…………………あー、」


やばい、この人多分私のこと知らない!「あー」とか言ってるけどたぶん口先だけ。多分今来てくれたのも桃井ちゃんの計らいだったんだ!
未だ唸ったままの青峰君は頭をかいている。どうしよう、このままなんだかんだと時間経つのを待っていたってしょうがないし、あー…どうすればいいかわかんないよ桃井ちゃん!

そんなとき登場したのは秋の象徴、トンボ。
トンボは一本杉をぐるりと迂回して私の視界から消えていった。もぞもぞと頭のてっぺんが痒くなる。もしかしなくても頭の上にいる?とっさに出た右手。振り払おうとしたその動作は青峰君の左手によって遮られた。

『え、』

「動くな」

彼の右手がゆっくりと動いた。人差し指を私の頭あたりにさして指をくるくると回し出す。わかっている。これがトンボを捕まえる動作だってこと。わかっている。青峰君が私をみてくれていないこと。髪に彼のゴツゴツとした手が触れた。もぞもぞと動いたあれは無事に青峰君の手のひらの中。

「こんなとこでもこんなでけえアキアカネが見つかんだな」

そう言いながらトンボを返してあげた。キャッチ&リリース。そんな言葉あったような気がする。すごく優しい顔。バスケをやっているときとは違う顔。私がアキアカネだったら青峰君の元にまで飛んでいきたいな、だなんて似合わない言葉が出てきそう。
青峰君、ありがとう。って言えばいいのかな。
青峰君、トンボ捕まえるの上手だね。って言えばいいのかな。
青峰君、そろそろ右手を解放してくれないかな。って言えばいいのかな。








『青峰君、』






『やっぱり付き合ってください』
(だからNO!だっていってんだろ)(なんかわかんないけどさっきのトンボ事件で胸がざわざわしてんの。責任とって)(NO!)


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