あなたは黒子テツヤに「恋の悩みを聞いて欲しい 」、笠松幸男に「自分と釣り合う女になって欲しい 」と思われています。どちらの願いを叶えてあげますか? http://shindanmaker.com/257096
『ええー……、』
やっぱり黒子くんのお願いのほうがいいよね。
だって、笠松くんのお願いって、ってかお願いなのかなそれ。釣り合うってなんだろう。
笠松くんと釣り合う人って例を挙げるなら……黄瀬くん?なら私なんかじゃ完全に勝ち目ないじゃない。髪の毛は地味な焦げ茶、目だってそんなぱっちりおめめってわけじゃないし。オシャレだってがさつだからクラスの子みたいにできないし。……なんだか自分で言っていて悲しくなってきた。
目の前にある二つの扉。左は黒子くんが、右には笠松くんがいるらしい。とりあえず黒子くんのほうに言ってみて見事アドバイスできたらよし、難しかったら笠松くんのところに逃げ……ても釣り合うことなんて十中八九無理だから二人に扉から出てもらって相談しよう、そうよ、私一人で考えていてもしょうがないんだから。
『失礼しまーす……』
恐る恐ると扉を開ければ黒子くんが人当たりの良さそうな顔をしてふかふかしていると思われるソファに腰掛けていた。黒子くんが座っている目の前の誰も座っている人がいない同じようなソファを指差し「どうぞ」という彼に従い深く座った。ものすごくふかふかしていました。
黒子くんのお願いの話題にはいること三分がたったと気づかされたのは三分用の砂時計がそこにあったからである。全部落ち終わったそれをひっくり返した。結局、黒子くんの話をまとめると[自分が好意を寄せている人に一生懸命アピールしているが気づいてもらえない]と言うことらしい。あー、たまにいるよね。端から見ていれば完全できてんじゃんーみたいに見えるのに本人たちはできてませんでしたーみたいな話なわけよね。
『もう直接言うしかないんじゃないのかな。アピールしても気づかないんじゃしょうがないよ』
で、相手は誰なんだろう。桃井ちゃん?火神くんとかだったら皆に笑われちゃうよ。ま、相手が男だろうと否定はしないけどね。
「実は火神くんに」
火神くんきた!火神くんきた!
否定は確かにしないけどでも火神くんなのね。桃井ちゃんじゃないのね。
脳内の私は脳内に存在するテーブルをバンバン叩きながら胡座をかいている。勿論頭の中での話なわけだからだらしない私を黒子くんに知られることもない。顔に出さなければどうってことはないのだ。
「火神くんにも同じことを相談してみたのですが同じことを言われてしまいました」
…………………ん?
『黒子くん、あれ?好きな人って…』
「あ、さすがに感づいてくれましたか?」
か、火神くんじゃ、ない………!?
ならば選択肢は最後の一つ、桃井ちゃんなのだろう。だけど様子がおかしい黒子くん。なんだか物凄く幸せそうな黒子くん。あれ、私なんかアドバイスできたのかな黒子くん。
なんだかいやな予感だ。あれ、黒子くんどうしてそんなに顔を赤らめて近寄ってくるかな黒子くん?
「僕、あなたのことが好きです」
『ごめんね黒子くん。恋の悩みは聞いてあげたので帰ることにします』
(ごめんねってことは僕ふられちゃったんでしょうか?)(いや、そうじゃないけど今回ばかりはいきなりすぎるっていうか)(考えといてください、僕の気持ち)
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