両手に花+?

昼休み。給食当番が食器などを配膳室に片しているそんな時、私と一之瀬はチョコ色頭の半田に学校案内をしてもらっていた。……と言っても一度で暗記できるような量で無いことは明白なので今日は私たちの教室がある階だけを教えてもらうことに。

「ん、おーい半田。なにやってるんだ?」

でたあああああ。魔王様が降臨なすったああああ!どうやら隣のクラスは守くんや何かでスゴいと有名な豪炎寺のクラスだったらしい。左隣にいる今にも手を出してきそうな変態はふらー…っと教室の中へと消えていく。おーい。そこはうちらのクラスじゃないですよー…あ、一生帰ってくんな。この変態め。

「秋、隣のクラスだったんだ!」

「一之瀬くん」

なんて声が聞こえたが気にしない。女の子と絡みが無いことの方が気持ち悪いからね。一之瀬=女好き(特に胸があるかどうか)。この定理は一生崩れることのないとどこかで確信してしまった。

「名無し。金曜はいきなりお前が居なくなっていたからびっくりしたんだぜ?」

びっくりしたから染岡をしぼったというんですか。神の判決ですか。ゴッドハンドで神をも手なずけたんですかあんたは。それでも無邪気に語る守くん。半田の前だからなんですよね、それって。多分二人きりだったらいつものように「今度俺の前から居なくなったら存在自体を消してやるから」的なことで脅すんでしょ。まだ私にはやらなきゃいけないことがあるのに。お菓子の大人買いとか。駅裏の高級ケーキ屋さんでホールごと平らげるとかさ。

『本当にごめん。入院していた帝国の皆のお見舞いに行っていただけなの』

間違ったことは言ってない。なんなら雷門理事長の娘さんに聞いてみるがいいさ。確かにあの日は彼女に会ったんだから。

「へぇ…俺より帝国をとるのか」

「ふえ、円堂?」

ちょ、おま。落ち着いて守くんんんんっ!隣に何も知らない半田がいますから。あなたのおっそろしい魔王的なオーラが眠っていることなんて知らないんですから。だから静かに微笑まないでくださいいいいい!


「円堂…今なんかいつもと雰囲気ちがくなかったか?」

「ん、どこが?」

ちょ、空気読んで。とばっちりは私にまわってくるんだから。

「俺はどこも変わってないよ。な、名無し!」

『うん!……はぁ、』

2012.11/27


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