私が嫌だ嫌だといい続けている合間に一之瀬はクラスの女子に囲まれた。見た目だけはマシだからなんだろう。みんな、人間中身を見なきゃ大変なことになるよ。胸揉まれるよ胸。
「ごめんね。今名無しに校内案内してもらうところだから」
『何をぬけぬけと……、』
この変態が。あれだろ、胸フェチなんだろ。ちなみに私は脚フェチだぜ。綺麗な脚の女の子をみるのが私の裏の特権……!って、そんなことを語っていたら私も一之瀬と変わらない存在になりかねないので秘密にしてほしい。
『染岡。学校案内してー』
「だから却下だって何度も言ってんだろうが」
何度言っても聞かないのでとりあえず横っ腹に蹴りを入れて落としました。もちろん彼はがっつりと椅子から落ちました。そりゃもうがっつりと。
「てっめえ…、どんどん性格が悪化してってんじゃねえか。つか今の痛いだろ!」
ガタガタと体を震わせながら立ち上がった染岡は廊下へと出ていった。あ、もしかして案内してくれるのかな〜なんて考えたのは甘いようだ。ついていこうとしたら「ついてくんな!」と怒鳴られたから。あらら、なんか私嫌われちゃってね?
「染岡のやつさ、金曜の放課後円堂に笑顔でしぼられてたんだよ。そんでなんでそんなことになってんのか本人に聞いたら「名無しのに無理矢理託された……」ってさ」
『ああ……、』
あれはしかたないだろ。守くんから逃げれる隙があったんだから。あれ以上超次元サッカーなんてもんやっていたら私の心臓がもたない。恐い、ありえないだらけだもん。人間の跳躍パネェもん。
『つかチョコ色頭ってサッカー部なの?』
「なんだよその覚え方」
フハッと笑いだすチョコ色頭のクラスメート。色的に味はビターだと思う。一之瀬がミルクチョコが似合う。まあ、変態だけど。つか学校案内はどうすればいいの。ああ染岡もいないしもういいや。このクラスメートA(仮)に頼もうそうしよう。
「俺は半田真一。染岡と仲良くしている女子なんてはじめてみたぜ」
『そりゃどーも』
チョコ頭の子はアホ毛があります。なんだろう、可愛い。
『半田。学校案内頼むよ』
「へ。お、俺がぁ!?」
2012.11/27
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