月曜日になりました。家を出ると鬼道と出会ったので一緒に行くことになりました。正直言うと守くんに見つかって怒られるんじゃないか。きれいな笑顔で微笑んでいるんじゃないか。とりあえず、私に嫌ななにかが降り注いでくるんじゃないかと思いました。あれ、作文?
『一緒に学校行くなんて何時ぶりだろう』
「一年ぶり…くらい、か?」
彼は朝練もあったことから私よりも早く家を出ることが多かった。時間のある時は一緒に学校へ向かうこともあったけどいつからかそういったこともなくなっていって。ちょっと懐かしいなーなんて思ったり、ね。
「おはよう鬼道!」
誰かが私と鬼道の間を引き裂いた。きさまあああ、せっかく私と鬼道のセカンドライフを営んでいこうと思っていたのになにをしやがるうううう!そう思う私とは裏腹に鬼道は茶色い髪の少年をみて薄く微笑んでいた。
「ああ、一之瀬か」
『しりあい?』
だれ?と聞けばイチノセと呼ばれた彼が私に抱きついてきた。あれ、私ってばあなたとお知り合いですか。あれれ、そういうフラグ何ですか。なに。これって内容変更OK物語的な?
「うん。秋よりあるね」
むにゅ。と自然に胸を揉んだのだから私も唖然。むしろこれって口を半開きにさせる以外の行動をとれって言うのが無理な話なんですが。
『……初対面に胸揉まれたんだけど…!』
どうすればいいんですか鬼道。そんな表情を浮かべた私に気づいた少年はそっと手をはなした。いや、離したからと言って許される問題ではない。さわったと言う事実は変わらない。ほら証人として鬼道もいるし。
「俺の名前は一之瀬一也。名無し…だよね、俺の彼女になろうよ☆」
えええええ。なんで私の名前を知っているんですか。なんで彼女にならなきゃいけないんですか。なんで魔王様みたいに☆をつけるんですか。殺す気か、アンタは。色々な心の葛藤が行き交いはちゃめちゃになったあと、とりあえず断っておこうと『NO』の言葉を呟いた。だって守くんに知られたらなにが起こるか分かったもんじゃないし。
『あなたってもしかして黒いの?』
「え、よく変態って言われることはあるけど」
自覚しているんなら少しくらいなおしてみたらどうですか?
『あ、そ……』
「変態ってことは認めるんだな」
2012.10/8
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