昔、とてもこきつかわれている少女が一人いました。
「ヒューデレラ!ここの部屋もまだ埃っぽいじゃない!!さっさと掃除してちょうだい!」
「ヒューデレラ〜、あたしの部屋もお願い!研究してたらお姉ちゃんと喧嘩しちゃってさー」
「二人共。こんなことをしている場合ではないわ。早くお城へ行きますわよ!」
姉のシェリア、パスカル、マリクと、とても美しいドレスを着たまま、掃除をヒューデレラにおしつけて、今日行われるお城のパーティー会場へ出掛けてしまいました。
「……はぁ。なんで私がこんなことを………、私だってお城のパーティーに行ってみたいのに(本当ですよ。なんで僕が女装しなくてはならないんですか!)」
そんなことを呟いていたとき、現れたのは黒いローブを身に纏った魔法使い。
「あ、貴方は……?」
「俺は魔法使い、アスベル。ヒューデレラ、貴方もお城のパーティーに出たいとは思わないかい?」
「え……、ええ」
ヒューデレラは困惑しました。いきなり現れた魔法使いと名乗る人を信じていいのだろうか。この人も私をこきつかうのではないのか、と。
「では、俺があなたの願いを叶えてあげましょう」
シャララララ〜ンと魔法使いアスベルの持っていたルーンロッド+6を振り上げました。
「輝く御名の下、地を這う穢れし魂に裁きの光を雨と降らせん安息に眠れ罪深き者よ………!」
その時、光がヒューデレラ目掛けて落とされるのでした。
「えっ!ちょっ…まっ………!?」
「ジャッジメント!」
「うわっ…うわあああっ!!!?」
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