ありゃ、怒り頂点?

遊び半分でサッカーをやるだなんて言っちゃったけどあれはもうやりたくない。本当、本当にやりたくない。第一私みんなの名前をよく知らない。知っているのなんて守くんと染岡、鬼道と土門の四人だけ。あ、名前だけなら豪炎寺という名前も知っている。本当に止めてほしいよね。やるならまずみんなの名前を覚えてからが鉄則だと思うんだけど。

「『あ、』」

綺麗な花束を持った雷門理事長の娘さんと出会った。私は佐久間たちのお見舞いに。彼女は雷門理事長のお見舞いに来たらしい。あれ、理事長どこか悪いところでもあったんですか?

『お見舞いやふー』

雷門理事長の娘さんとはそこまで関わったことがない。話もあまり無いまま病室が違うので別れてしまった。バナナなどの果物でいっぱいのかごを持って足を運べば佐久間が「鬼道さん!」と振り向いた。残念だな鬼道じゃなくて。

「なんだ…名無しのか」

『ふん。鬼道じゃなくて悪いか』

「すまないな名無しの。こいつは鬼道菌が足りなくなっているだけなんだ」

鬼道ってば菌だったのか。あれだろ、ビフィズス菌みたいなやつ。ヨーグルトの中に入ってるんでしょ。あ、もしかしてペンギンの中に入っているのかもしれない。病院にはペンギン連れ込めないもんね。

『残念。わたしが居なくて寂しいのかと思ったのに』

クスンと泣き真似をしながらかごを源田が寝ている近くのチェストにかごを置いた。泣き真似だと見抜いている源田は笑い、佐久間はすねた表情でふいっとそっぽを向く。んだよ。こいつかわいくねー。

「誰がだ。第一名無しのとは学校で会えるだろ」

『わたし雷門だけど』

「「はあっ!?」」

あれ。言ってなかったっけ。そういえば鬼道が雷門に行ったことしか言ってない気もしてきた。あれえ…まさか、ね。まあ、でも帝国サッカー部のマネージャーをやっていたわけでもないし言わなくたって誰も文句は言わないよね。


「おまっ、ふざけんなよ!」

「なんで転校したんだ?」

二人とも文句言ってくれました。ちょっと嬉しいです。

『親の事情で帝国のPTA代の金が払えなくなった』

「「はぁ?」」

2012.8/20


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