不法侵入彼女

『ポケモンを つよく そだてて
 たたかう ポケモン トレーナー!
 ここに さいきょうの
 トレーナーが あつまり ました
 ばしょは セキエイ こうげんの
 ポケモン リーグ ほんぶ です!
 オーキドはかせも
 いちど ごらん ください
 …… ポケモン リーグ より』


「メールには一応ご覧くださいって書いてあるのね」

そう言ったのは人のパソコンを勝手に触っているブルーだったりする。話を少し前まで戻そう。レッドがセキエイ高原でグリーンに勝利しチャンピオンの名を轟かせてから一週間が経つか経たないかといった頃、俺は図鑑が結構埋まったことを自慢しようとマサラタウンへと向かった。訪れた先にはなぜか縄で縛られたオーキド博士がぐぐもった声で助けを求めている。
え、また敵襲なのか!?と気を張ったその時奥から現れるブルーに「あら、見つかっちゃったわね」と笑われた。何が何だか展開についていけない。だってこないだのリーグ戦でオーキド博士と和解したはずじゃないか。オーキド博士の口をも塞いでいたいかにも女子がもちそうな可愛いハンカチをほどいてあげようとすればブルーに止められる。

「なんで止めんだよ。これじゃ博士が可哀想じゃんか!」

「だってどうやってポケモンリーグ戦に潜り込んだのか気になるじゃないの」

はあ?と俺の抜けた声と布を当てられたままの聞き取りにくいオーキド博士の声が重なる。どうやらブルーが探っているのはオーキド博士がいったいどんな手を使ってリーグ戦に潜り込んだのかを知りたいのらしい。いや、そう言われてみれば確かに俺もレッドもグリーンにブルーも偽名なんて使うことなんてできなかった。まず変装するっていう発想もなかったが。

「バッジ自体は若い頃にとったと仮定したにしろ…偽名とあのきもっちわるい変装、そして規定にきっちり定められている顔写真を持ってくるという的確な行動力…、これはなにがなんでも学ばなきゃ損じゃない!」

「損の意味があんまりわかんねーんだけど…」

「んもーレッドに似てバカね。またロケット団みたいのが現れたらうまく潜って内部事情を洗えるかも知れないのよ?」

そしてそれをコガネシティのラジオ棟まで行って売るのよ。結構いい稼ぎになると思うわ!いつまでも通常運転なブルーにため息が漏れてしまったのはどうやら俺だけでなく博士もだったらしい。
そんな彼女はまた博士の私物を漁り始める。今度はもう止めはしなかった。





気の済むまでやらせようか。
(キャーッ!これって博士の彼女!?)(え、どれどれ!へー…睨みあっているところがまた…)(若い頃はやんちゃして〜みたいな感じかしらね!)(うぐぐ〜!(勝手に話を進めるんじゃない!))



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