興味か恋か

『あ、』

教室の窓から狩屋くん発見伝。なんて思いながら視線を窓の下のほうに向ける。いつも彼は松風くんと一緒にいることが多い…なんて思ってたけど霧野先輩と居ることも増えたような気がする。とはいっても客観的に見ただけであり、私の知らないところではチームの皆以外にも仲の良い人が居るのだと思う。

そんな彼は松風くんと西園くんと楽しそうに話していた。つり目になったり赤くなったり項垂れたりととても表情が豊かになったと私は微笑んだ。そして私はいつも彼の姿を追っていたのだと気づかされる。なんだか恥ずかしくなって頬っぺたに熱がこもった。

転校初日から無性に彼のことが気になるのだ。友達に話したら「それは恋よ!」と返されたのだが正直どうなのだろう。第一、一目惚れ程度の気になるではないのだ。まぁ一目惚れをしたことがあるかないかと言われればテレビに映る俳優さん以外にあったことはないんだけど。

狩屋くんを見ていると楽しい、んだと思う。クラスでは皆の前でヘラヘラしている狩屋くんだけどサッカーをやっている時にはつり目になっていて。その目付きをみるたび圧倒されるのだ。胸がきゅうってひねりつぶされてしまうかのように。

「名無しーまた狩屋くん見てんの?」

「うん、一緒にみる?」

私はパス。手をふる友達にそっかと返して窓の下に目をやったがそこには三人の姿はなかった。昼休みの終わりを告げるチャイムは私が残念ともらした声と共に鳴り響いた。





とらえる姿は。
(あれ…あんた狩屋くん見てたんじゃないの?)(いつの間にか見えなくなってた)(つーかさぁ話しかけるとかの努力をすりゃいいじゃない)(私、人見知り激しいし…あはは)(笑い事で済んじゃうのね)

2012.4/8



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