理由なんていいじゃない

いつもと変わらない教室に入り、皆と平等に話せる程度の私は適当におはようと声をかけた。
昨日の今日じゃ何も変わらない。
私の何かがすっきりした点以外は、なんて悟ってみたい気分三割、昨日の珍発見したテレビの中へ行ったお陰で疲労がとりきれてないのが六割、その他一割という気分の中私は自分の席へうなだれるように座り込んだ。

『ダルい…、』

「無理して学校来るからじゃねーの?」

『うう…、やっぱり帰った後に返してもらった格ゲーやっていたからかな』

「そりゃお前、バカだろ」

隣の席の彼から返してもらったゲームのディスクは壊れてはいなかった。が、どうやら真の裏ボスは倒していないらしく、私の気晴らしが済んだらまた貸さなくてはならないらしい。別に壊されなければいいんだけどね。

『私さ、』

私が里中の背中を見て口を開くと、ん?と花村は目線を横に私を見た。
そして静かに息を吐き、花村の顔を見て続ける。

『私、もうちょい真面目に人生楽しもうかな〜って昨日ゲームしながら思った』

ゲームしながら普通そんなこと考えるか?花村も私の顔を見て苦笑をもらす。私もいつも皆に見せるただの笑みとはうって変わって弱々しく微笑んだ。

『人とこうやって話すのも実のとこ嫌だったのよ?いつ嫌われるか分かんないしって考えてさー』

ペチッと両手で頬を叩けば自然と勇気がでる。なんて古典的なんだろう、自分と自分自身でも呆れる位だ。
いつもと変わらないくらいの明るい顔で続けて言えば花村も明るく微笑んでくれた。

『でもさ、花村っちや皆にネガティブな私見られちゃったらなんかふっ切れたっていうか』

私、今はちゃんと思うよ。
生きてるって、素晴らしいね。





>朝日が射し込む教室にて。
(だからこれからは花村っちと一緒じゃないよ?)(何がだよ)(テストの順位ー)(そんなすぐにテストの順位なんてあがるわけねーだろ!)

2012.6/18


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