“私”と私

「名無しの、絶対自分を否定すんなよ!」

『は?意味分かんないってかドッペルゲンガーなのになんで皆冷静?つかなんで冷静?』

自分を否定?何のこっちゃ。私は私。否定するべきことなんて…無いとは言いきれないけど改めて他人に言われる筋合いはない。
ドッペルゲンガーと決めつけているが私自身ドッペルゲンガーというのが何なのかよく分かっていない。自分で分かることは今は冷静を保つことができないってこと。
その原因は目の前の彼女のせい。

『そうやってミンナに騒ぎ立てて…バッカみたい』

バカ…?騒ぎ立てるの何がいけない。クラスに一人や二人そういう存在っているでしょ。私はその少数人のうちの一人ってだけ。

『つまらないことで騒ぎ出して皆の注目を浴びるのって楽しいよね。ミンナが私に注目してくれる、私の存在に気づいてくれてる』

特徴がない自分を知ってくれる。…最初はそれで良かった。そう続ける彼女に私は小さくそんなことないよと独り言のように呟く。彼女に直接目線を合わせることなんてできなかった。

『最初は本当些細な事。友達なら私についてなんでも気づいてくれると思ったから』

思い出すのは懐かしい思い出。懐かしくて最も自分が純粋でみんなともだち!なんててことをモットーにしていた可哀想な私。
私が友達を信じるという選択肢ばかりを選んでいた時期。

『あの時、私は話を聞いていなくて曖昧な返答をした』

だって学校でも放課後でも一緒にいたもん。私が珍しくいつもと違う選択をしたことに気づいてくれるって信じていいじゃない。

『だけど私の変化に気づいてくれなかったでしょ?“友達”なんて形だけ』





>その言葉は確かに私の気持ち。
(事実を知ったあとはうわべだけの友達作り)(たーっくさんオトモダチ、できたよ?)

2012.6/5


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