私を蝕む者現れる

「そろそろ切り上げようか」

「だな。明日も学校あるしなー…ってそういや今日の現国相棒当たってたよな。明日俺が当たる可能性高くね?」

「多分当たるな」

『花村っち当たるなら私も当たるじゃ…』

んと声に出しながら珍しいものを見るような目で商店街と変わらない道を下っているとそこには辰姫神社らしき場所もあった。
静かに皆と離れる。休憩したいなんて無理矢理連れてってもらった身が言えるはずもなく、神社の階段の最上段目を椅子がわりに腰を下ろした。

『はぁ…疲れた』

疲れたと声に出すとどっと脱力感なるものが私に襲いかかる。皆の後ろを走り続けていたからだろうか。
そして不意に感じる人の気配。それは普通とは違って私の背中には嫌な汗がつぅーと流れた。

『なんでミンナは分かってくれないの。そう思うでしょう?』

『……え?』

振り向けばそこには私そっくりの女の子。目の色がもしおんなじだったら私と本当に見分けがつかない状態かもしれない。その子はどこか苦しそうな表情と楽しそうな表情を交えながら続ける。

『ミンナが勝手な解釈をするたびに私は何も言い返すことのできない自分に対して死にたい、死にたいって嘆いてる』

いきなり何を言いだしている。死にたい?私が?というより自分を殺す、なんて自殺まがいなことできるはずもないでしょ。否定の言葉は用意できたのにそれを口にする事はできなかった。せいぜいの悪あがきはどもること。それだけ。

『わ、私は…そんなこと思って』

恐くて私は逃げ出した。足がすくんで動けなかった、とはならなかったが思うように力が入らない。私は何ならかの恐怖に押し潰されているよう。だって彼女の側に居たら死んでしまうような気がした。死が恐いのか、私のような彼女が恐いのか分からないけどとにかく恐かった。





>恐くて助け求める。
(独りになるとふざけてる場合じゃない)(とにかく皆と落ち合わないと!)

2012.5/29



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