『ねーねークマっち。皆の後ろから出てくるアレって何?守護霊、背後霊?』
何かを呼んでいるのは分かるけれど幽霊関係ならお断り。隣にクマがいなかったら私は必死に逃げ出していたと確信する。あれはねーペルソナっていうクマよと先ほどの里中のような待ってました!と言う表情で説明してくれる。
ぺる、そな?口にしたら妙に耳に馴染んで弾ける単語。とてつもなく不思議な気分になった。
「名無しちゃん、早く来ないと置いていくって」
『あ、ごめん』
「何話してたの?」
私を声で導いてくれた天城はクマさんに変なこと言われた?と訊く。それに対してクマはユキチャンしどい!と心なしかショックを受けている様子。よよよよーと変な泣き声を耳に彼女に返答した。
『ぺるそな?について。私も出せるようにならないかなーなんて』
「俺、名無しのには無理な気がする」
「あたしもー」
そこ即答ですか花村里中ペア。
テレビの中に入ってこれたのにのけ者なんてしどい!クマの真似を若干取り入れつつ、少し考える。怪我をしたいかしたくないかと言えば私は後者の選択を選ぶだろう。
『…けど別にいいや。皆が私を守ってくれればね!』
けたけた女の笑い声とは思えない声で笑えば出せるようになりたいんじゃないのかよと花村に飽きられる始末。
鳴上はそんな私たちの会話を黙って聞いていたのか、それとも考え事とかタイミング見逃したとかなんとかで漸く喋ったと思えばこんなことだった。
「とりあえず進もう。ここで悩んでいても時間が過ぎるだけだからな」
「りょーかい、相棒」
>みんな体力あるなー。
(そうだ、名無し)(何々?)(どこか疲れたとかはないのか?)(え。うーん…どうだと思う?)(大丈夫だろ、こいつはもう女じゃない!)(言いきる花村っちはサイテーね!)
2012.5/23
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