いつもどうして笑っているのと聞かれて返す言葉を失ったことがある。笑っていることの意味なんてないよ。ただ皆の話に合わせたくて。皆と馴染んでいるように自分を消して。笑って騒いで怒られて。でも一人きりになると物凄く哀しくなって、静かすぎて恐くて空気に殺されるんじゃないかって頭で想像していたこともあった。
友達の話を適当に流していることが無意識にある。頭の中で違うことを考える癖があるのが小さい頃からの失敗談。たまに友達がちゃんと聞いてるかどうかを訊くからどうだと思う?と疑問符をぶつけてあげた。そしたらちゃんと聞いてるよねと勝手に納得し、分からない話の続きを長々と続け始めた事が今まで生きた中で両手で数えられるくらいあった。話の腰を折るわけにはいかないし話終わった後に聞いてなかったなんて言えるわけもなく。私は嘘つき人間だと自虐的な笑みを浮かべている。
八十稲羽に私の居場所なんて無い。学校は私の仮の住まいだが未だ自分を理解してくれた人物に出会ったことはない。いつも転校生に変な期待を持つ自分だけど花村は気づいてくれなかったし、多分鳴上も自分を理解してくれない。自分を嘘つき人間だと証明してくれない。
だけどまだ少しだけ期待している自分が恐い。期待するだけ無駄。裏切られるのが落ちなんだろうけど本当の自分に触れてくれそうな気がしてならない。分からないけど、好奇心のような。寧ろ私は転校生という新しいモノに執着している可能性があるのかもしれない。
今はそれだけで生きていける。居場所がない私の借宿。友達の話を聞くだけの毎日はもうウンザリ。皆が私の二択のうちの三択目を選んでいる事に気づいてくれないことも無性に嫌気がさしてくる。でも一番腹が立つのは私。自分自身。
私なんて消えちゃえばいいのに。
>選択肢はいつも曖昧。
(楽な選択肢は私の味方)(私は何のためにココにいるのだろう)
2012.5/17
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