『あ、』
思い出した。二年の時に少し話すようになった、やるねーの男の子。彼のメアドなら知っているし、私は直接関わらないしでなんとかなるんじゃないかな。ポケットから携帯を取りだし滝くんにメールを打った。私、携帯は早打ち得意だよ。
直ぐ様、携帯のバイブが鳴る。はやっ!って思ったのだが、滝くんみたいな怪しい髪の毛をしている人ならこれくらいが普通なのかもしれない。開いてみると、あらビックリ。エラーメールの文字が。
『魔女みたいな頭しやがってええええっ!』
メアド変えたんなら教えてよ、バカ滝。確かに少しの間しか関わってないけどさぁ!……と愚痴るのもここまでにしておいて。次の手段を練らねばならない。全く、これも全て宍戸くんが悪い。日本史のノートなんて置き勉しておけば良いじゃない。チラって机の中見た限り、空っぽだったよ。教科書とかわざわざ持ち帰ってんの?あ、だから忘れ物多いのか、納得。
「長太郎、一旦休憩だ!」
はい、宍戸さん!と言葉のラリーが聞こえた。宍戸くんはコートから私の立っている場所から近いフェンスを挟んだベンチに座った。あれ、これってチャンスなんじゃない?
忘れ物はいけないよ
(まぁ、置き勉もいけないけど)(うう…困ったなぁ)
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