髪の毛


昨日の帰りのSHRに席替えがあった。テストも終わって皆に余裕ができたからだろう。はっきり言って私は席替え反対派。だって、せっかく仲の良い子達と近くの席だったんだもん。それにくじ運悪いし、なんてね。

結局引いた席は教卓の真ん前。しかも両隣は男子、右側なんて男子テニス部で有名な宍戸亮。うわ、人生終わった。そう感じていたのが昨日の自分。



『…………』

はっきり言って黙って授業をうけるのは嫌い。先生に注意されてもいいからばか騒ぎしたい。けど私を囲む五つの机の主とは話が合わないタイプ。黙らざるを得ないと言うわけなのだ。

暇で暇で仕方ないのでノートに悪戯を書き始める。別に何を書いていようが教卓という強烈な盾があるから見られることはあまりないだろう。一生懸命、授業なんかそっちのけで現国の教科担任の似顔絵を描いていたら隣から小さな声が漏れた。

ふい、と音が鳴った右隣を見てみると私のノートから目を離さない宍戸くんが口許を緩ませていた。そう言えば私のクラスの中で一番髪の毛長いの宍戸くんかもしれない。サラサラストレートで女も羨ましがる髪の毛。きっと触ったら柔らかいんだろうなぁ…なんて思ったのが第一印象。

「……なんだよ」

『あ、ごめんなさい』

ついつい彼の髪の毛を見すぎてしまった。宍戸くんって女子との距離をかなりとってしまうことがあるから見るときは気を付けなきゃね。それにしても……、羨ましいなあ。


男子テニス部の宍戸亮を、ただの男子生徒の宍戸亮として初めて見た瞬間は長く綺麗な髪の毛だった。





ある意味では女の敵。
(何のシャンプー使っているんだろう)(聞いてみたいけど恐れおおくて聞くことが出来ないいいっ)

2011 9/27


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