06
「………何もねぇとつまんねぇな…」
鎖に繋がれたまま、ぼんやりする。
テレビはあるが、リモコンは見当たらないし、テレビ本体にも手が届かない。
雑誌とかもない。
「はぁ…」
まぁ、監禁してる相手にそんなモン与えたりしねぇよな…。
「アイツ、今頃何してんのかな…」
何で、気にしてんだろうな。 普通だったら、必死に逃げる方法考えるはずなんだろうが…。
「………」
試しに鎖を引くが、びくともしねぇ。 錠もどうにもならねぇ。
「ま、当然だよな…」
手が届く範囲に道具がない。
「とりあえず、食うか…」
渡されていたパンを食うことにした。
「うまいな…」
こんな状況で食うパンは美味かった。
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