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「……毛利に信用されてんだな」
『成績良いと便利よね』
「……ソウデスネ…」
『長曾我部、あんまり勉強出来ないのね』
楽しそうに笑いながら、雪比奈はプリントを眺める。
『警察、行ったの……でも、“大人をからかうな”って怒られたわ』
「え…」
『伊達君が片付けた……とか言っていたから……多分、そのせいね』
「じゃあ、捕まったり…しないのか?」
『そうね、でも……このままじゃ良くないわ。貴方にも悪い事したもの』
「……じゃあ、さ……飯作ってくれよ」
『え?』
「お前の飯美味いし」
『何、言ってるの……あんな事したのに…』
「俺は美味い飯が食えたらそれでいい」
『…………わかった……貴方の好きなもの、たくさん作るわ』
「楽しみにしてるぜ、鶇」
『……っ…』
勢いで呼んでみた名前。 鶇は顔を真っ赤にして、下を向いた。
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