25
家でも、学校でも、一人だった。
そんなある日、告白された。 特に興味はなく、最初は断った。 だけど、彼は何度も話しかけてきて…… いつの間にか、気になって仕方なくなった。
そして、彼と付き合う事に。
一緒にいるうちに、どんどん好きになっていった。
だけど、彼は私とは逆に、どんどん冷めていった。
『×××君、最近…一緒にいてくれないわね。忙しいみたいだけど…』
「なぁ、鶇。別れないか?」
『え…?どうして…』
「お前、つまんねぇ」
雨宿りにたまたま入った廃ビル。 告げられた言葉が無駄に響いた。
『隣のクラスの子と、一緒にいるの……よく見るわ』
「知ってんじゃねぇか」
『私じゃ、駄目なの…?』
「悪いな」
『……嫌…嫌よ……』
鞄から取り出す果物ナイフ。
『一人に、しないでっ…』
気が付いた時には、両手が真っ赤に染まっていた。
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