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「おい、ここがどこだか忘れてねぇか?」
「伊達…」
「逃がすわけねぇだろ」
『………そういう事したら…ますます嫌われるってわからない?』
「……鶇…」
『まだよ、名前を呼ぶのは…』
長曾我部の腕を引き、歩き出す鶇。
『もっと…仲良くなってから、ね………あぁ、それと―――』
何かを思い出し、足を止めた。
『あんまり心配かけちゃダメよ?』
そう言って、鶇は俺の後ろを指差す。
『じゃあね』
「小十郎、お前が連れて来たのか…?」
「申し訳ありません。これ以上、間違った道に進んで欲しくなかったので」
「……そうかよ…」
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