18
『……はぁっ……はっ…』
走る。走る。 家までの道を、ひたすら。
『……間に合って…』
どうか、お願い。
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『…………』
「どうだ?」
『いきなり、いろいろ言われても…』
いきなり、自分の女になれ…など言われても困る。
「ま、そうだな…」
『…………』
「だか、待ってる間にお前が捕まったら意味がねぇ」
『え、』
「長曾我部はうちで預かるぜ」
そう言って、伊達君はニヤリと笑った。
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勢いよく開けた扉。
『ちょ、そかべ…くん…?』
返事はない。
フラフラしながら廊下を歩く。
リビングへ向かうと、
『…………』
そこには鎖と、壊された紫色の首輪だけが残されていた。
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