12
「あ、そうだ!水!届かねぇ!!」
『………馬鹿なの?』
鎖はキッチンに届かない。
落ち着いてきたのか、冷静に突っ込まれた。
『………もう、大丈夫よ…』
「顔色悪いぞ」
『………寝てないから…』
「寝てない?」
『殺してから…』
呟かれた言葉に、思い出す。
そういえば、雪比奈は……。
『あの日から………眠れない………っ!』
「おいっ?!」
再び座り込む雪比奈。
「大丈夫か?」
慌てて背を擦るが―――
『触ら、ないでっ…』
拒否する雪比奈に、俺もいい加減腹が立った。
「本当に嫌なら、スタンガンでもなんでも使え!」
『え?ちょっと!』
俺は雪比奈を抱き上げた。
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