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「あ、そうだ!水!届かねぇ!!」

『………馬鹿なの?』

鎖はキッチンに届かない。

落ち着いてきたのか、冷静に突っ込まれた。

『………もう、大丈夫よ…』

「顔色悪いぞ」

『………寝てないから…』

「寝てない?」

『殺してから…』

呟かれた言葉に、思い出す。

そういえば、雪比奈は……。

『あの日から………眠れない………っ!』

「おいっ?!」

再び座り込む雪比奈。

「大丈夫か?」

慌てて背を擦るが―――

『触ら、ないでっ…』

拒否する雪比奈に、俺もいい加減腹が立った。

「本当に嫌なら、スタンガンでもなんでも使え!」

『え?ちょっと!』

俺は雪比奈を抱き上げた。










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