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『………っは……うっ…』

近付く度に、大きくなる苦し気な声。

『………っ…は…うぇ…』

トイレの前に立つと、はっきり聞こえた。

………吐いてる?

「………雪比奈?」

『―――?!』

声をかければ、驚いて振り向く。

『なっ……何…』

「……吐いてた、のか…?」

『ほっ、とい…て…』

「……でもよ…」

『うるさい!私がどうなろうと関係ないでしょう?!』

確かに、関係ないし、監禁した相手を心配するのはおかしいだろう。

それでも……

「目の前で苦しんでる奴を放っとけるかよ」










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