08
俺がテレビを見始めた頃、キッチンから音が聞こえてきた。
「6時半、か…」
ニュースを見ながら呟く。
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しばらくして、美味そうな匂いがしてきた。
「………」
腹が鳴った。 パンしか食ってねぇからなぁ…。
「……むぐっ?!」
ぼんやりしていたら、鎖を引かれた。
『………』
俺が怯んだ隙に、テーブルに置かれた料理。
「こ、れ…は…?」
『見てわからないの?夕飯よ』
咳き込みながら聞くと、予想外の答え。
「……夕、飯…」
『パンしか食べてないでしょう?』
「あ、あぁ…」
それだけ言うと、雪比奈はキッチンへ引っ込んだ。
「……いただきます…」
とりあえず、食ってみる。
「……美味い…」
雪比奈は、俺をどうするつもりなんだ…。
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