10−2「親友、ねぇ…」 『これでも頑張ったんだよ…』 「それは、わかってる」 いつものように元姫とお茶。 そして、いつものように話題は子元の事に。 「……やはり、子元殿に……」 『元姫?』 「なんでもないわ」 『そういう元姫達はどうなの?』 私ばかり聞かれるのも、ね…。 「私達?そうね…子上殿は相変わらずよ。もっとしっかりしてほしいものだわ。そうすれば……」 『そうすれば?』 「あっ、違う……その…」 珍しい。 慌てる元姫は可愛らしいな。 「………こういう女子の会話って…癒されますよね、兄上」 「昭、内容を理解しているのか?」 「そう言う兄上こそ、もう少し攻めてもいいんじゃないですか?」 「しかし……」 「彩華殿が勇気を振り絞って親友って言ったんですよ?今度は兄上が言わないと」 「………わかっている…」 小さく呟き、司馬師は彩華の部屋へ向かう。 「兄上、頑張って下さいよ」 応援しながら、弟は兄を見送った。 ―END― << |