9−2



 


『………ん…』

寝てしまっていたか…。

「目が覚めましたか?」

『………』

頭上から声が聞こえ、頭を動かすと違和感が。

あれ……確か、木に寄りかかっていたような。
何故、横に………いや、そうではなく…。

『……膝、枕…?』

子元の膝の上にある頭を動かし、彼を見上げる。

「いくら城内といえ、このような場所で寝るのはどうかと思いますよ」

『……だ、だったら…起こしてくれればっ…!』

「あまりに気持ち良さそうだったもので」

『……普通は、逆だろうに…』

「では、お願いしても…?」

『…………は?』

予想外の言葉に思考が止まる。

「どうですか?」

『なっ……あ、えっと………す、好きにしなよ!』

頭が回らず、そう言ってしまった。

そして、感じる膝の重み。

『……今更だけど…髪、綺麗だよね』

「彩華殿も。なかなか触り心地の良い……」

『なっ…!』

「撫でただけですよ」

『何してるのさっ!』





「あんな事してるのに、恋仲じゃないんですよね」

「一応、な…」

いつものように、二人を眺める鍾会と司馬昭だった。



―NEXT―



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