7ー2『ごめん、子元。子上に渡されて…』 「いえ、置いたままにしていた私も悪いので…」 『用意させようか?』 「必要ありません」 『だけど…』 「これを、頂きます」 『え…?』 司馬師の手には、食べかけの肉まん。 『それ、私が口つけて……』 言い終わる前に、食べ終わってしまった。 『…………』 彩華の顔は、みるみる赤くなる。 『なっ……なんっ……』 何か言い返そうにも、頭が働かず、言葉が出ない。 司馬師は自信たっぷりに、ニヤリと笑う。 『…………』 結局、彩華は何も言い返せなかった。 「あ、兄上……」 「昭、今回は許してやる」 「え…?」 その日の司馬師は、とても機嫌が良かったという。 ―NEXT― << |