7ー1



 


『で?何故、私の部屋に来る』

「いや、だって……彩華殿が側にいたら、兄上もそこまで怒らないかなって」

困り顔で言う司馬昭の手には、肉まん。

『怒られたくないなら、取らなきゃ良いだろう』

「そう言われましても……」

『……庇ってやらんぞ…』

「えぇー、彩華殿」

『素直に謝れば、子元だってそこまでは……』

「あ、そうだ」

何を思ったのか、司馬昭は持っていた肉まんを半分にした。

「はい」

『私に共犯者になれと?』

渡された肉まんを見つめ、彩華は顔をしかめる。

「良いじゃないですか、俺を助けると思って」

『……いただきます』

「よし!」

『よしってなんだ』

「失礼します」

彩華が肉まんに口を付けた瞬間、扉が開いた。

「彩華殿、昭が来てな―――」

彩華が持っている肉まんに、司馬師は目を見開く。

『…………』

「…………」

『固まってしまったけど……』

「……そう、ですね…」

『子元?』

「…………」

肉まんを食べながら、もう一度呼ぶが返事はなく。

「ごめんなさい!!」

『子上?!』

空気に耐えられなくなったのか、司馬昭は部屋を飛び出した。

『何なんだ…』

未だ黙ったままの司馬師と、司馬昭が出ていった扉を交互に見て、彩華は首を傾げた。



やはり変なのです。

(あなたという人は)






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