5ー2「鍾会!お前、今晩迎えに行くな」 「何故です?」 「彩華殿は一人じゃ出歩けないだろ?迎えが来なきゃ、兄上といるしかない」 「司馬師殿が送りに行ったらどうします?」 「いやー……兄上は行かないだろ……絶対引き留める!」 「……賭けますか?」 「珍しいな、お前がそんな事言い出すなんて」 「何してるの、子上殿…」 「元姫―――って、鍾会いねぇっ!」 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 『……鍾会、遅いな…』 食事を終え、談笑していた彩華と司馬師。 いつもの時刻だが、誰も来ない。 『………』 「ならば、」 不安そうに眉を寄せる彩華に近付き、 『―――っ?!』 司馬師は彼女を抱き上げた。 「こちらで、お休みに」 『し、しげっ!』 「ご安心を。何もしませんよ」 『………お、おやすみ…』 「……はい」 しばらくして――― 「これ、俺の勝ちか?」 「しかし、何もしてませんよ?」 「賭けの内容は、帰るか帰らないかだから、問題ないだろ?」 「………ほぉ?」 「「………」」 「おかしいと思えば……」 「あ、兄上……」 「昭、詳しく話せ…」 「……はい…」 ―NEXT― << |