その少女、国造りに奔走する
-後日談2−6-
「侑真!」
「兄ちゃん!」
「遅い!」
「そんな…台輔の脚に敵うわけないじゃないですか……」
脚の速い騎獣に乗って来たが、やはり最速の麒麟には敵わない。
『とりあえず、帰ろうか』
「今来たんですけど……」
『蒼太君もごめんね』
「い、いえ!そんな…」
申し訳なさそうに眉を下げる廉夜に、蒼太は慌て出す。
『……せっかくだから三成に乗りたいな』
「「……は?」」
その場にいる全員が目を見開いた。
『神獣に乗るなんて、とか思うだろうけど……気になってたんだよね……ずっと、どんな感じかなって…』
「………」
困ったような、少し悲し気な顔の廉夜に、三成は負けた。
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『すごい!速い!』
「暴れるな!落ちたいのか?!」
『大丈夫!三成は私を落としたりしない!…でしょ?』
「……ふん」
「麒麟に乗るなんて、姉ちゃんくらいだろうな」
「そうだな……」
麒麟の背ではしゃぐ主君を眺めながら、兄弟は笑いあった。
その女王、脱走する→おまけ