その少女、国造りに奔走する
-後日談2−5-
『私を食べたいなら、私の麒麟の使令に下りなさい』
「ほぉ…?」
『その代わり、私が死んだら食べてもいいよ』
「何百年待てば良いのやら」
『さぁ?意外と短いかも』
「姉ちゃん、何物騒な事言ってんだよ!」
廉夜達の会話に、侑真は冷や汗。
「ふむ……面白い話だが……あの銀麒麟に使われるのは大変そうだ…」
『使令に下らずにそれほどの智を持ってるあなたならって思ったんだけど…』
「それは―――」
「そんな奴いらん!!」
森の中に、三成の声が響いた。
『三成!』
「説教は後だ。左近!」
三成に呼ばれた左近が、黒い尾を揺らして現れた。
「女王、やはり先ほどの話は断らせてもらうよ」
『………』
「食事のために何百年も使われるのはごめんだ」
『何百年って…』
「いや、卿は国を栄えさせるよ。………さて、食えぬ餌はいらないな。これで失礼するとしよう」
「待て!」
『追わなくていい』
飛び出そうとする三成を止め、廉夜は去っていく久秀を見つめるのだった。
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