その少女、国造りに奔走する
-後日談2−4-
「誰だ?!」
剣の柄を握り、侑真は警戒する。
『侑真君…』
「姉ちゃん、下がって」
「なかなか威勢の良い青年だ」
『人…?』
木の影から現れた、一人の男。
しかし、賊という事もある。
侑真は柄から手を離さない。
「女王はなかなかの番犬をお持ちだな」
『あなたは…?』
「さて、なんだろうな………名は久秀。梟、と呼ぶものもいるが…」
『久秀さん…?』
「まぁ、あくまで人間が勝手に呼ぶのだがね」
『妖魔…?』
「王の肉はどのような味がするのだろうな…」
『―――っ』
久秀の一言に、廉夜は後退り。
「そんなに警戒しないでくれたまえ。ただの興味だ。実際に食ったりはせんよ」
くつくつと喉を鳴らしながら、彼は楽しそうに笑う。
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