その少女、国造りに奔走する
-第7話-
『……嘘だ…!』
廉夜は走る。
信じられなかった。
まさか、自分が選ばれるとは思わなかった。
頭のいい幼馴染みならわかる。
だが、なぜ子供の自分が……
『……こんなの、嘘だ…!』
「嘘ではない」
―――カッ
蹄の音と共に響く声。
「麒麟は己の主にしか平伏しない」
『でも……』
頭では理解している。
知っている。
麒麟は、自分の主以外に頭を下げる事はない。
それでも、信じられなかった。
「貴様の王気を感じ取り、ここまで来た」
再び、頭を下げる三成。
『………』
「貴様以外に王はいない」
『………さっきと態度違う』
「麒麟を見て逃げるような奴に敬語は不要だと判断した」
そう言う三成に、廉夜は笑った。
「………天命をもって、主上にお迎えする。御前を離れず、詔命に背かず、忠誠を誓うと誓約申し上げる…」
『―――許す』
その少女、
麒麟と契約する.