その少女、国造りに奔走する
-後日談2−1-
「おい!」
「はい!」
ある日の昼過ぎ、三成に呼ばれた蒼太は肩を揺らして歩みをとめた。
「廉夜を見ていないか?」
「いえ、見てません。あの、台輔……弟を見ていませんか?」
「貴様の弟?見てないが。まったく……廉夜の奴……」
「そうですか……どこ行ったんだか…」
互いの探し人を頭に浮かべながら唸る。
「やれ、そのような場所で何をしておる…」
「刑部、廉夜を見てないか?」
「あの、弟は見てませんか?」
「主上に侑真、か……廐屋の方で見かけたが……騎獣と戯れておるのであろ」
「廐屋…だと…」
「台輔?!」
いきなり走り出した三成を、蒼太は慌てて追った。
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