その少女、国造りに奔走する
-第73話-
『お客…?』
「主に会いたがっておる」
大谷について行くと、そこには―――
『小太郎さん!』
いつぞやの赤麒麟がいた。
「先日の礼だそうだが……何かしたのか?」
『お礼……あ!でも、道案内してもらったし……むしろ私がすべきじゃ……』
そう言って眉を寄せる廉夜に、小太郎はふるふると首を振る。
そして、ずいっと風呂敷を差し出した。
『もらっていいの?』
廉夜が首を傾げると、小太郎はこくこくと頷いた。
『なんか申し訳ないなぁ……小太郎さん、お茶飲んでって』
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『そっか……大変だね…』
話を聞けば、小田原王は高齢。
本当は共に行く予定だったが、彼の体調を気遣った小太郎が単独で来たのだとか。
『じゃあ、今度は私が小田原に行くね』
「駄目だ。許さん」
『み、三成…』
「……!」
他国の麒麟と楽しそうにお茶をする廉夜。
その日の三成はいつも以上に不機嫌だったという。
赤麒麟、訪問.