その少女、国造りに奔走する
-第70話-
『……けっこう重いんだ…』
政宗の刀を持って、震える廉夜。
「廉夜殿には刀は合わぬようでござるな」
『のこぎりくらいなら大丈夫なのに…』
「のこぎり?!」
「honey、意外とviolenceだな…」
『誰もそれで戦うなんて言ってないけど』
同じ刃物で例えただけなのに、顔を引きつらせる二人に、廉夜はため息。
政宗達に武芸を教わろうと思ったが、どうやら剣術は無理そうだ。
「これじゃ、槍もダメだろうな」
幸村の槍を見ながら、政宗は一言。
『んー……』
「そんなもの、覚えなくて良い」
『三成…』
「主上は我々がお守りします故」
すぅっと現れた左近。
言いたい事を先に言われ、三成は顔をしかめたが、廉夜に伝わっているならばと開きかけた口を閉じた。
『ありがとう』
嬉しそうに笑いながら左近に抱き付く廉夜を見て、三成は再び顔をしかめた。
「私も獣に戻ればいいのか…?」
無意識なのか…。
ふと、聞こえた三成の呟きに、政宗は顔を引きつらせ、幸村は再び顔を赤くした。
その麒麟の、呟き.