その少女、国造りに奔走する
-第68話-
「そうか…」
使令から報告を受け、三成は眉間に皺を寄せた。
「また窓から侵入するとは……伊達政宗…!」
苛立ちながら、廉夜の元へと歩き出す。
そこへ―――
「三成殿!」
「……真田…?」
現れたのは、信濃国王、真田幸村。
「政宗様を迎えに行くと言ったら着いてきてな…」
そして、政宗の麒麟、小十郎。
「摂津王には会った事がなかったので、お願いしたのでござる」
「そうか」
返事をすると、三成は歩き出した。
追いかける二人。
「政宗殿と手合わせしたく参ったのですが、まさかこのようになるとは……」
「すまねぇな…」
「いえ!お陰で摂津王と会う機会が出来ました」
『あ、』
話しながら廊下を歩いていると、ふと聞こえた声に、三人は足を止めた。
『政宗君、お迎え来たよ』
「小十郎、早すぎ―――幸村じゃねぇか」
「政宗殿!―――と、」
『ん?』
「はじめまして、摂津王。真田幸村と申しまする」
『真田……あ、信濃の?』
「はい!」
『は、はじめまして。廉夜です』
「なんで、あんたがいるんだ?」
ぐいっと廉夜を引き寄せ、政宗は彼女の肩を抱いた。
その瞬間―――
「はっ破廉恥―――!!」
幸村の叫び声が響き渡った。
信濃王、絶叫.