その少女、国造りに奔走する
-第62話-
『慶ちゃん、釘』
「はいよ!」
『ありがとう』
屋根に上り、修理をする廉夜。
そんな彼女に動かされ、民達も瓦礫撤去に取りかかる。
「姉ちゃん」
『危ないよ』
「平気だよ!俺だって、これくらい…」
『じゃあ、ここ押さえてて』
「うん」
「あぁ、侑真……敬語を……」
敬語を使わず、普通に話している侑真に、蒼太は冷や汗。
「本人が気にしてないなら良いだろう」
「孫市さん、でも……」
「廉夜もその方が嬉しそうだ」
「はぁ…」
「気にしてないで、自分の仕事をしろ」
妖魔が来たときのために、孫市は街を回っている。
ぽんっと蒼太の肩を叩き、再び歩き出した。
城下にて、
続・撤去作業.