その少女、国造りに奔走する
-第61話-
『………』
廉夜は戸惑っていた。
街に戻ると、皆が平伏していた。
「なんも知らずに嬢ちゃんとか言っちまった!」
真っ先に頭を下げたのは、あの初老の男性。
『あの、顔を……』
「ひぃ、すみません!」
『………』
街の者が皆、地面に頭を擦り付けるように平伏。
「立て、と命じれば良いだろう」
孫市だけは、変わらず言ってくれた。
『え、でも……』
「このままでは、どうにもならんだろう」
『……じゃあ、立って下さい』
「………」
民は戸惑いながら、次々に立ち上がる。
『国を立て直すためにも、まずは瓦礫を排除しましょう!』
「………」
『あれ?』
返事のない事に、廉夜は再び困り顔。
そこに―――
「よし、やるか!」
道具を持って、歩き出す慶次。
『慶ちゃん…』
「ほら、皆も!このままで良いのか?」
慶次に言われ、民は次々と動き出した。
城下にて、撤去作業.