その少女、国造りに奔走する
-第51話-
―その夜―
『三河王…』
「はい、徳川家康に違いないです」
食器を片付けながら、廉夜は左近の話を聞いていた。
『どうして…』
「おそらく、国の様子を見に来たのではないかと……」
『私の事、ばれた…?』
「それは、大丈夫みたいです」
『まいったな…』
まさか、こんなところで三河王に遭遇するとは……。
廉夜が悩んでいる頃―――
「なぁ、家康。何で摂津に来たんだ?」
「瀬戸内王、元就公に聞いたんだが……新王は優しい方らしい。会ってみたくてな」
「だったら、何で城下に…」
「街の様子も見ようと思って来たんだ。お前もそうだろう?」
「まぁな……秀吉が、死んで……どうなったかと…思ってさ……」
孫市宅の二階。
もう一つの空き部屋(廉夜が掃除済み)にて、深刻そうに話す二人。
「ところで、大丈夫なのか?王様がこんなとこにいちゃ、まずいだろ…」
「大丈夫だ!忠勝もいるしな」
己の影を見つめて笑う家康に、慶次は苦笑い。
「あの少年も気になるし、しばらくは城下を回ってみようと思う」
「そっか……じゃあ、俺も付き合うよ」
「慶次が一緒なら頼もしいな!」
その青年、視察
忠勝は使令にしました。
家康の麒麟は考え中。
出すかどうかはわかりませんが……
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